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藤川徳美著「分子栄養学による治療、症例集」紹介!

「分子栄養学による治療、症例集」

川徳美 著

 

 

 近年、病院に通っても治らない病気や精神病、心の病がとても多いように思います。病院に通ってなくても、慢性的な体調不良や、治らない鼻炎、アトピーなど。この本は、そのような現代人にとって不可欠な内容だと思いました。自分のためにも内容をまとめます。

 

1. 現代人は質的な栄養失調

 

 飽食の時代と言われますが、著者は「質的な栄養失調」を指摘しています。「質的な栄養失調」とは、

「糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足」

「嫌気性解糖主導」

「ATP不足」

 これが全ての慢性疾患の原因となっていると言える、とのこと。厚生労働省が推進している食生活を行っている日本人は、全員質的な栄養失調です。ガン、糖尿病、膠原病、精神病病気に至らない身体的不調もこれが原因としています。しかし、現在の医療では先進国では栄養失調がないことを前提としており、質的な栄養失調に全く介入せずに対症療法を行うのみなので、病気が治らないとのこと。

 

 筆者は、以下の理論に基づき、「高タンパク/低糖質食+メガビタミン+適切な脂肪酸+適切なミネラル」で治療を行うとしています。

 

 1) 分子栄養学(三石理論)を提唱された物理学者の三石巌先生による”日本人の食生活ではタンパク不足があり、これが慢性疾患の原因となっている。DNAには健康な生命体を維持するためのタンパク質の作り方が書かれている。つまり、タンパク不足では健康な生命体を維持できない”

 

 2)オーソモレキュラー理論を提唱した科学者のライナス・ポーリング博士、精神科医のエイブラム・ホッファー博士による"汎不足病(PandeficiencyDisease)、つまり、タンパク不足、必須脂肪酸不足、ビタミン不足、ミネラル不足と全ての栄養素が不足する状態"

 

2. グルコース脂肪酸、ATPで考える

 

 こちらの本では基本的知識は解説されていないため、まずはおさらい。

 

 グルコース分子式C6H12O6を持つ単純な糖。ブドウ糖。食事後上昇する血糖値は、血中にグルコースが増加していることを指します。

 

 脂肪酸:  炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素原子が鎖状につながった一方の端にカルボキシル基(-COOH)がついています。脂肪酸には、炭素の数や炭素と炭素のつながり方などの違いにより、様々な種類があります。血液検査の中性脂肪とは、脂肪酸グリセリンエステルを指します。グリセリンエステルは、加水分解するとグリセリン1分子と脂肪酸1~3分子を生じる脂質のことです。

 

 ATP(アデノシン三リン酸):細胞の活動に使用されるエネルギー。脂質である中性脂肪や、糖質であるグルコースなどを分解することによって、ATPがつくられます。このATPを作る過程は、「解糖系」「クエン酸回路」「電子伝達系」の3つがあります。著書で問題となる部分は、この「解糖系」。

 

 本題に戻ります!

 

「嫌気性解糖だと、グルコース→ピルビン酸→乳酸、ATP2個。しかし、コリ回路の乳酸→グルコース、ATPマイナス6個

好気性解糖だと、グルコース→ピルビン酸→アセチルCoA→ミトコンドリア(クエン酸回路+電子伝達系)。ATP=2+36=38個

脂肪酸とATPC16パルミチン酸(長鎖脂肪酸飽和脂肪酸)を例にして考える。中性脂肪(トリグリセリド)=グリセロール1個+パルミチン酸3個。

 

グリセロールは糖新生によってグルコースになる。グルコースからは、嫌気性解糖系で2個、ミトコンドリアで36個の合計38個のATPが作り出される。

糖新生には6個のATPを投入しなければならないので、グリセロールからは正味32個のATPが作り出される。

一方、パルミチン酸1個からは、ミトコンドリアで129個のATPが作り出される。

中性脂肪はパルミチン酸が3個くっついているので、3倍の387個のATP産生量となる。従って、1つの中性脂肪から作り出されるATPの合計は419。

 

脂肪酸は効率の良い燃料です。グルコースミトコンドリアで完全燃焼(好気性解糖)させる必要があります。そのための条件として、

 

A)電子伝達系に必須の鉄不足があってはならない。

B)クエン酸回路の補酵素の、B群、Mg不足があってはならない。

 

1)燃料としての糖質、脂肪酸がないと生きていけないタンパク質のみでは生きていくための十分なATPを産生できない。(タンパク質からの糖新生だけのATPでは生きてゆけない)糖質を減らすなら脂肪酸を十分量摂取することが必要。

2)嫌気性解糖だけではATP不足で生きてゆけないB1不足の脚気ではピルビン酸をアセチルCoAに変換できない。好気性解糖に入れないため、米を食べれば食べるほどマイナスATPとなる。ATP作成のため体内の脂肪酸と筋肉を燃焼させるが、それが尽きれば痩せ細って死亡する。ガンも同じ、ガンは嫌気性解糖のみを行うためマイナスATPとなる。体内の脂肪酸と筋肉を燃焼させるが、それが尽きれば痩せ細って死亡する。やはり、脂肪酸を十分量摂取することが必要」

 

川徳美著「分子栄養学による治療、症例集」よりそのまま引用。

 

つまり、精製糖質過剰摂取はその代謝のためにビタミン、ミネラルが浪費され、ビタミン不足、ミネラル不足を生じます。かつ、日本人女性は深刻な鉄不足のため、これら不足のビタミン、ミネラル、鉄を補充するという治療法です。

 

3. 鉄不足とタンパク質不足

 

 著者は、フェリチン100以下は鉄不足だとしています。フェリチン50以下になると、電子伝達系でのATP合成機能が低下するとのこと。つまり、ミトコンドリア機能障害を生じ、嫌気性解糖主導となるとしています。鉄が多い食材は、赤身の肉、赤身の魚、レバー、卵。ただし、食事だけで十分量の鉄を補うことは困難なので、フェリチン50以下の人は全員、鉄剤、もしくはフェロケルを飲むべき、とのこと。

 

また、タンパク質も重要な要素。著者は、鉄不足=タンパク不足、と同義としています。タンパク質の指標はBUNとアルブミン、鉄の指標はフェリチン。高タンパク/低糖質食+鉄剤による治療が必要だそうです。

 

4. 具体的な治療方法

 

 糖質中心の食事から、高タンパク+高脂質+低糖質食に変えると沢山のATPが得られるようになります。しかし上記が上手くいくためには、その代謝の際の補酵素、補因子が十分あることが必要になります。つまり、高タンパク/低糖質食+B50、C1000,E400のメガビタミン+ミネラル(Fe、Zn、Mg)。

 

 著者はATP激増(ブースト)サプリメント4点セットとして、Nowアイアン36mg、B50コンプレックス、C1000、E400(d-αトコフェロール)をおススメしています。

 

・NOW Foods iron 36mg

・NOW Foods B-50

・NOW Foods C-1000

・NOW Foods ナチュラル E-400

 

加えて、

 

・NOW Foods Niacin 500mg

 

基本量:B50、2錠、朝夕。C1000、3錠、朝昼夕。E400、1~2錠、朝。(鉄は夜)

メガ量:B50、3~6錠、朝昼夕。C1000、9~12錠、朝昼夕(腸耐性用量の2/3程度)。E400、3~5錠、朝。男性は当然ながらFeはなしの3点セット。

 

「鉄が不足すると、電子伝達系の機能が低下し、クエン酸回路機能も低下します。フェリチン10程度の場合では、回復に2~3ヶ月かかります。フェリチン30~50程度の場合では、1ヶ月程度で回復を実感出来ます。

 B不足(特にB1不足)では、ピルビン酸がアセチルCoAに代謝されず、クエン酸回路機能も低下します。Cは、脂肪酸ミトコンドリアに取り込む際に必要なカルニチンを合成する補酵素です。

 上記に加え、Eが一押しです。E不足があれば、呼吸で得た酸素の43%が不飽和脂肪酸の自動酸化のために浪費されてしまいます。酸素は本来、ミトコンドリア内膜にある電子伝達系で用いられるものです。つまり、酸素不足があれば「好気性解糖」ができなくなります。

不飽和脂肪酸の自動酸化が起これば、

1)血液粘度が増加して血流障害を引き起こす

2)細胞膜やミトコンドリア膜などの生体膜の自動酸化により、酸素、ビタミン、ミネラルの吸収障害を引き起こす

つまり、Eがあれば、酸素、ビタミン、ミネラルのミトコンドリア内への取り込みが改善します。つまり、EはB、Cの効果を強める働きがあります。実際、B+Cよりも、それにEを追加する方が効果が実感出来ます。B+Cの効果が2倍になるイメージです」

 

川徳美著「分子栄養学による治療、症例集」よりそのまま引用。

 

5. そのほか注意点

 

1)糖質(白米、小麦粉、砂糖)を減らす=糖質制限。お菓子は禁止。果糖を液体でとることも禁止。

2)十分量の蛋白質アミノ酸)の摂取。毎日体重の1/1000、つまり60kgの人なら60g/日。卵3個で20g、豚肉100gで13g、チーズ100gで20g、豆腐100gで3gの蛋白質。女性では、蛋白質不足では鉄不足になりやすいため鉄剤も服用する。毎日、卵2~3個+肉と魚200g+チーズ

3)ビタミンB3(ニコチン酸ナイアシン)3g+ビタミンC3g水溶性ビタミンであるため1日3回に分けて服用。水溶性ビタミンは過剰投与による毒性はない。iHerbで購入できるナイアシン500mg錠。フラッシュの出ないナイアシンアミドよりフラッシュのあるナイアシンの方が効果が強い。B3の副作用はホットフラッシュ(顔面紅潮)、少量から体に慣らしてゆく。1日1錠から開始、慣れてフラッシュが出なくなったら2錠、3錠と徐々に増量。

4)B50コンプレックスB1=B2=B3=B6=50mg入っている。iHerbで購入可能。1日2錠、副作用は全くない。5)ミネラル亜鉛マグネシウム、セレン、マンガン。ミネラルは過剰投与にて毒性があるため、注意が必要。

 

早速実践していきます!